『冬のぼくたちは』/aoyama

寒くなると冬の曲を聴きたくなるし、その欲求を満たしてくれる素晴らしい曲は数多く存在する。

その中でも今年の僕はこの曲で過ごしたい気分なのだ。

冬が終わる頃は 街を駆けてく
君に会えるのだろう 約束なんて何もないけど

探した答えは 乾いた風のなか
いつか春が来て ゆっくり思い出す

『冬のぼくたちは』/aoyama

寒空の下でする深呼吸を夢想してしまう。鼻から吸い込んで温まることなく肺にまで入り込むあの冷たさ。痛いんだけど心地よくてついもう一回と吸い込んでしまうあの冷たさ。

ふんわりとした温もりがこもった心地よいポップスなのだが、ベースのお陰で背筋は伸びている。それに誰もに馴染む親近感のある声を通してストンと耳に入ってくる曲は聴く人を選ばない懐の深さをもっているように思える。

実際ボーカルの方はCMとかのナレーションとか多く担当してるようで妙な親近感はそのせいかもね。

というかこういう曲がめちゃくちゃ好みだ。マジでもっと評価されるべき曲なのでは…??というかこの曲が収録されたアルバム『月を読む』自体が名盤です。必聴。

あとyoutubeにはショートverしか存在していないのでフルを聴く場合はサブスクなどを利用しよう。

『Watch Dogs Legion』は冷酷だった【感想】

Watch Dogs』シリーズは街中をスマホ片手にコソコソとハッキングし、パルクールしながら銃を撃つ。たまにカーチェイス。そんなゲームだ。 影に隠れ、遠隔で物を操る時の暗躍感とイタズラ感は大きな魅力の一つで、爆発するパイプの範囲内に敵をおびき出す瞬間は在りし少年の頃の感情が蘇りついニヤニヤしてしまう。

独自性の高いオンライン要素、オブジェクトによる即興性の高い戦闘、他人の個人情報や生活をボタン一つで盗み見る背徳感は他のゲームでは決して味わえない。大好きなゲームシリーズの一つだ。

 

そんなゲームの実質ナンバリング最新作がWatch Dogs Legion』(以下レギオン)である。

ギオン最大の特徴はNPCをプレイアブルキャラに取り込めるという点だ。以前までは個性的な主人公が存在していたのだが、今回は画面に映るロンドン市民一人一人にバックストーリー、ボイス、能力値が自動生成で割り振られているらしい。

その数は膨大のようで、老若男女、ギークからスポーツマン、物乞いから芸術家までとにかく全ての人物をデッドセックというハッカーグループのメンバーとして迎え入れられ、また操作できるというのだ。

そしてキャラクターが死亡すると二度と戻らないという。(設定で変更可)

 

正直、なんじゃそりゃという感じだ。たしかに全NPCプレイアブル化は前代未聞の取り組みだし、非常に魅力的なコンセプトだろう。”Legion”、文字通りロンドン市民全員が”反逆者”。正直カッコいい。

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しかし僕はエイデンの復讐劇やマーカスと仲間のワイワイをキャラクターの掘り下げや成長通しながら見たいのであって、見ず知らずでぽっと出の、死ねば二度と使えないキャラクターに思い入れもクソも無いじゃないか、と思った。

NPCの能力厳選作業が始まるに決まっている、どうせ1タイプに5パターン程度の個性なんだろう、ストーリーが変わるレベルで個性を自動生成するなんてことを可能にしているならNPCにリソースを割きすぎてゲーム自体のボリュームは少ないんじゃないか、とか色々考え……とにかく僕はレギオンに不信感しか抱いていなかったのだ。

そしてプレイしてみて思うのはやはり、僕の不信感はある程度当たっていたということだ。

 

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まず触って感じたことは「また操作変えやがったな」だ。

ウォッチドッグス1は操作にクセがあり、それがとっつきにくさや評価の低さの一端を担っていると僕は考えている。2では一般的なTPSに寄せた操作となったため「よしよし」と思っていた。しかしレギオンではまた1のような煩雑な操作に戻ってしまっている。しかも1とは微妙に違っているため操作感はどのゲームとも違うものになってしまっているのだ。脳がはちきれそうだぜ!!

幸いコンフィグをそこそこ自由にいじれるのが救いで、カバーと登るボタンを入れ替えるだけで違和感はかなり緩和される。

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コンフィグ設定したので参考にどうぞ

というかそもそもウォッチドッグスにはしゃがみボタンは存在しなかった。戦闘態勢になれば前作主人公達は自然と屈んだためステルスはスピーディかつ容易だったのだ。老人でも余裕で腰を落とすためわざわざしゃがみボタンを実装する必要があったのかかなり疑問であるし、4でまた操作が変わるのを想像すると今から割と気が重い。(オンラインで使うのかな…)

 

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そして今回の売りであるNPCプレイアブル化もやはりというか微妙である。

微妙とはいえもちろん良い部分だってある。実際NPCはなかなかに個性的で、職業や年収などおなじみの内容に加え交友関係、検索履歴など見ていてついフフッとなるようなプロフィールがこれまで以上に作りこまれているのには驚いた。

マップ上に存在するNPCたちも動きや言動はバリエーション豊かだし、勧誘した人達はストーリーミッションだとガシガシ喋ってくれるためNPC探しで飽きるようなことは無い。その上話すすべての内容がしっかりローカライズされているなど日本語にも力をしっかり入れてくれているあたり流石UBIと言うべきだ。本当にありがたい。

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ヌードル検索「アニメ ハードコア 紫髪 エルフ」

だがしかし、いわゆるメタデータデモグラフィックが物語に絡む瞬間は一度たりともない。フルボイスギャルゲ―で名前入力を要求されるようなものだ。せっかく僕が「かきもち」と入力しても結局は君、アンタ、お前呼ばわりでそりゃそうか、と興ざめする経験とよく似ている。

ゆえに2のような「映画で使った車奪ってそこらを走ればデットセックの宣伝になるんじゃね!?」的な楽しさは一切ない。なぜなら車を奪うのは映画オタクであるから、という理由付けがそこらの市民では不可能だからだ。

 

ギオンもキャラ同士で名前は呼び合う事は無いし、職業がストーリーに生かされる瞬間は無いためそりゃそうか。である。セリフやスカウトミッションの幅も多いとはギリギリ言えず、ゲームを続けるほどに既視感を感じてしまうものばかりだ。300人一斉解雇されたり、車をテムズ川に突っ込んだ回数はもはや覚えていない。

この手のやり取りはギャルゲー同様全く期待してはいないとはいえ、遊んでいるとやはり残念であるしゲームとの壁を感じてしまう。キャラ立ちも設定の絡め方も最初に操作することになるダルトンに敵う者は現れない。

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お前がナンバーワンだ。

その他にも体が不自由であったり腸内環境が悪かったり、突然死をしてしまう人など何らかのハンデを持っている人をデッドセックに勧誘する理由が無いのも残念な点である。

そういった人たちでの中にハンデ以外で個性的かつ強力なスキルを持つ人を見たことが無い。そのため最後まで彼らはただの弱者としてのみ存在するほか無いのだ。どうしてトレーラーにあった「ライフルでのダメージ増加」みたいな能力無くなったんだよ…付加価値くれよ…

女性のみとか高齢者のみとかこだわってチーム作りをするのも可能ではあるため一概には言えないが、そういった遊び方をわざわざしない限り自然とスパイや殺し屋、建設現場の作業員など強力かつほぼ固定のスキルを持った人々が集まってしまう。

せっかくならレベル制にして新たにいくつか能力を与えられたり、デメリットを打ち消したりできるようなシステムがあれば人材選びも楽しくなったのになぁと思わざるを得ないのである。

 

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それにシリーズ共通のシステムであるハッキングの要素が大きく狭まっていたのには落胆した。

最初に言った通り、このゲームの魅力は遠隔で物を操る時の暗躍感とイタズラ感にあると思っている。全シリーズユーザーが走行中のバイクにスチームパイプをぶつけたことがあるように、ああいう市民をオモチャにしたイタズラが楽しいゲームだったはずだ。(最低)

もちろん残ったハックはどれも便利であるし、戦闘で重宝するものばかりである。しかしハックのほとんどが戦闘に使うもので、停電とかギャングをけしかけるとか、使う場面は限られるもののあれば確実に楽しいハックは消えてしまっている。

 

おそらくキャラバランスや個性を保つために削除されたのだろうが、市民で遊べることと言えばドローンで狙撃したり車をぶつける程度であり、ハッキングが全体的に地味で派手さがないのである。個人的なことかもしれないが非常に残念でがっかりだ。

そもそも市民の心証が悪くなるとスカウト不可能となるため気軽に彼らをオモチャにできないという面もあるのだが。

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せっかくドローンをハックしても結構頼りない。

 

そしてなにより、僕が一番このゲームでがっかりかつプレイするモチベーションを下げる原因となったのはストーリーである

※物語中盤からのネタバレが入るので気になる人は次の画像が表示されるまでスクロール推奨。

 

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話のクオリティに差がありすぎるためにスカイラーセン周り以外語る場所はないこと。予想通りストーリーは短いこと。ボリュームをスカウトミッションに頼りきっているなどある。しかしそれらはさほど重要ではない。

ストーリーでDCL(デッドセックロンドン)に一切の主体性が無いことがわかってしまったのが最も重要であり、もはやがっかりを通り越して不愉快なのだ。

 

今作の物語は、ゼロデイという突如現れたハッカーの招いた爆破テロによりロンドンと共にDCLに大打撃を負ってしまうが、デッドセック再建とテロの阻止。そしてテロを理由に導入された民間警備会社アルビオンによる過激な治安維持からロンドンを解放しようと再始動するというものだ。

その過程である協力者と共に行動していたところ、DCLは協力者に騙され窮地に立たされてしまうのだが、それによって発生した問題を解決しようとしたときに彼らが発した言葉は「(騙した)彼を狙撃するしかない」だ。

 

僕はがっかりした。見損なった。なぜならそう発言したのはおしゃれで物腰が柔らかく、自らを僕と呼び、テーザー銃と逮捕スキルを持つ元警察官のおじさまだったからだ。

確かに騙されたのはムカつくし、殺害する以外選択の余地は無かったのかもしれない。しかしその中で容赦なく狙撃を選択するなんておじさまは警察としての何かをいつの間にか完全に捨ててしまっていたのだ。要は解釈違いである

しかもこれはおじさまに留まらない。人身売買の元締めを逮捕しようと言った依頼主が結局逮捕でなく殺すことを選択したときも殺害の様子をボケーっと見てから帰った後で「あいつは殺されるべきだった」と同調するメンバーに、警備会社の要人を容赦なく殺した後にパーティーを開く元社員など、メンバー全員の行動や言動がなんだか…腑に落ちない。

 

直々に暴力を下すのでは無く、暴いた悪事を特徴的なアートワークを用いて公にするのがデッドセックの矜持だと2で散々見てきたというのに、肝心のDCLは人が殺される瞬間を黙って見ることができるし、人の頭をライフルで吹き飛ばす事にだって一切の抵抗感を持っていない。敵はさることながら、味方の倫理観すら崩壊してしまっているということが僕は本当に悲しかったのだ。

そしてなぜ倫理観が崩壊しているのかといえばやはり操作キャラがNPCだからとしか言いようがない。

おじさまはDCLの仲間として振る舞うし自身をPCと思っているがその実、結局は人のフリをしているだけであり、与えられた「元警察官」という過去すら関係のない規定のセリフを発する自動生成された存在でしか無いという事実が浮き彫りになっているのだ。

そりゃそうか。それこそ映画の車をかっぱらうなんて思いつくのは彼らでは無理なんだ。

 

主体性のかけらもなく、他人の言葉に乗せられて暴力の限りを尽くす彼らを見て僕は恐縮してしまう。レジスタンスという大義名分とデッドセックという集団意識に飲み込まれた彼らは、ついには自己すら捨て去った冷酷なテロリスト達となってしまった。そしてそんな集団を祭り上げるロンドンは見ていて本当に不愉快だった。サンフランシスコのデッドセックを見習ってくれよ!!マジで!!

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口が裂けても彼らを守護者とは呼びたくない。

他にもカーチェイスがほぼナシ、アビリティ替えが面倒、フォトモード周り、観光要素の削除など細々した不満点は多々あるのだが、これ以上はとりあえず置いておく。

 

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今作を遊んで最終的に思うことは、「市民」という最大の個性を実装することにより元々持っていたハッキングや義賊のようなストーリーというシリーズ「らしさ」が薄くなってしまっているということだ。

確かに全市民プレイアブル化は魅力的なコンセプトではあることは間違いない。正直カッコいい。しかしそれだって過去作のキャラが登場するというDLCが用意されていることがコンセプトと相反してしまっており、いよいよ今作が持つ個性すら薄れようとしている。

 

正直、レギオンは僕にとって好きなゲームとは言えない。しかし悪い点だって喉元過ぎればなんとやら。特になんの思い出にもならなかったとはいえ遊ぶだけならレギオンはかなり面白い。 

まず、なんといっても市民一人ひとりのスキルが非常に多種多様であるため遊んでいて本当に楽しいのだ。銃が強力だったり技が強力だったりと持つスキルによって使い勝手は本当に千差万別だ。テイクダウンモーションも相変わらずカッコいい上、それもキャラごとに複数用意されているため近接は非常に爽快だ。

スパイらしい、ハッカーのような見た目とそれに相応しい能力を持つ「らしい」キャラに遭遇したときの喜びもひとしおだ。確かに稀であるがその分非常にテンションが上がるし愛着が沸く。自分だけのキャラを探す宝探しのような感覚はなんだかハクスラ然としていてついつい市民の厳選を始めてしまう。

 

それに潜入や正面突破などのキャラごとに得意不得意が大きく違うのもすごくいい。普通のスキルポイント制のゲームならばステルスをしている最中に見つかった後も無双できるような両刀状態になることが大半であるため、緊張感はゲームを進める度に薄まっていくだけだ。それに対しこちらは気を抜けば一瞬でキャラを落とされてしまう。敵も次第に強くなるためいつだって適度な難易度で挑むことができる。

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催眠が強すぎる


しかも単純に現代都市を取り扱ったオープンワールドは貴重だ。それが作り物のロンドンであるにも関わらず、相変わらず車で走っているだけで観光気分に浸ることができる。従来の観光要素無くなってしまったとはいえ一度テレビで見たようなあの建物や景色を見ることができるというのはやはり新鮮で楽しいものだ。

というか今回のロンドンがマジで好きだ。マップのクオリティと密度、それと圧政の敷かれた湿っぽいロンドンの雰囲気は当シリーズの中ではマジで頭一つ抜きんでている。

収集物は豊富かつそのどれもが一味違った場所にあるためマップの作り込みに説得力があるし、スカウトミッションだって攻略した敵陣地に再び訪れる理由を与えてくれるため遊びごたえがある。

 

本編終了後でもキャラが喋るきっかけがいくらでもあるというのも地味ながら貴重だ。クリア後に世界が終わってしまうことで強い虚無感を味わいがちなオープンワールドゲームにおいては嬉しい要素である。

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最後に水で薄めたジョン・ウィックを見てくれ

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ただ。ただやはり僕はウォッチドッグスの醍醐味はバイクに爆発をぶつけたり、そこらのモブにギャングをけしかけたりなどといったコソコソしたイタズラ感にあると思うのだ。

もう一度言うがレギオンはしっかり面白い。 シリーズらしさが失われた分本作ならではの楽しさは詰まっているし、独自の魅力だって放っている。決して短くない当シリーズが持つ歴史や独自の世界観を広げる役割だってしっかりと持っているだろう。

ただ、大小さまざまな点でウォッチドッグス「らしくない」し、血の通っていない「冷酷なゲーム」ではあり、そうでないことが僕にとって非常に重要であったということなのだ。

 

Watch Dogs Legion』はシリーズファンならやる価値はある。やって損はない。ただ、「ウォッチドッグスシリーズ始めたい!」と思った人が最初にどれを選ぶかという話ならば今作の優先度は最も低い位置にあるということは間違いないだろう。

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2はマジでめっちゃオススメです。

『アカシア』/BUMP OF CHICKEN

「すげぇ曲を出したな」というのが率直な感想だ。

ポケモン剣盾のDLCを解説する生放送で流れたらしいこのPV。やべぇやべぇと噂を聞いた次の日に聞いたがやっぱりヤバかった。涙が止まらないのだ。



具体的に映像のどこが良かったとか小ネタの豊富さとかの解説は別の誰かに任せるとして、ポケモンとのタイアップであることから『アカシア』がポケモンとトレーナー間にある友情を描いた曲であることは言うまでもない。

君の一歩は僕より遠い 間違いなく君のすごいところ
足跡は僕のほうが多い 間違いなく僕のすごいところ

真っ暗闇が怖い時は怖さを比べ ふざけながらいこう
太陽がなくたって歩ける 君と照らす 世界が見える

 『アカシア』/BUMP OF CHICKEN

 

「君がいることを君に伝えたい」…。なんて優しい言葉なんだろう。歴代博士と御三家が映る映像も合わさって、まるで、ポケモンを楽しむ僕たちを全肯定してくれてるみたいじゃないか。

 

25年もつづくポケモンというシリーズ。ただでさえゲームをクリアするには膨大な時間がかかるというのに、なんと藤原はその膨大な歴史をわずか4分半に余すことなく詰め込んでしまった。しかもポケモン然とした単語を一切使わずに!!

このアカシアしかりカルマしかり、藤原の持つ「テーマソング力」には毎度毎度圧倒される。なんでなんだよ。どうしたらここまで咀嚼して完璧に吐き出せるんだ、マジで。



僕たちが持つポケモンへの愛情こそが、この曲を最大限に楽しむことができる”特等席”になってくれる。

まぁポケモン然とした単語が無いということは言ってしまえばポケモンで無くても成立する曲ということでもある。オタクがよくやる「この曲〇〇の事歌ってるじゃん…尊い…」と自己解釈で勝手に盛り上がっちゃうタイプのソレだ。僕もやる。

でも全く問題ない。ポケモン以外でも成立するという事は『アカシア』がいかに懐の深い曲であるかという裏付けにしかならないのだ。ポケモン以外の特等席だってきっとある。

 

つまり全世界のポケモントレーナー、ひいてはゲーマー。もといすべてのオタクに捧げられる一曲であるという事だ。無限に聴ける。

 

 

さすがだぞ! オタクの こころの つかみかたを バッチリ 理解 してるんだな!

『白日』/中田祐二

顔のみ、かつクマの被りモノをしているという『Hotline Miami』を想起してしまうデザインをしているアルバム、「école de romantisme」(エコール・デ・ロマンティズム)に収録された名曲がこの白日だ。

元は「椿屋四重奏」というバンドで活動していた彼が解散して初めて出したアルバムの曲なのだが、マジでいい曲である。少し前に世間を騒がせた白日よりも好きだ。

(優劣はない。マジでない。)

確かなものには 不確かな思いがつきまとい
視界を曇らすけど 君だけは違ったね

明日が何も語らずに 僕らを連れ出す
白日の下に すべてを打ち明けることができるのなら

『白日』/中田祐二

 すごく切ない歌詞をしている。なんたって歌いだしが「帰りたいけど帰る場所なんてない」である。あまりに赤裸々すぎるじゃないか。題名の白日たる由縁なのかもしれない。

しっとりとしたアコースティックギターの音を中心に構成された音たちは自然と僕の胸の内すら白日に晒してしまうようで、つられてセンチメンタルになってしまう。

 

きっと誰にだって後ろめたいことはあるものだ。そして縋りたくなる場所だってある。そんな心の弱さや心の拠り所の甘美さを歌ったのだ。切ないしやるせない、加えてセンチメンタルにもなってしまうが、この曲の価値はあまりに高い。

『紫陽花と雀』/大槻美奈

すごく複雑な曲なのにスッと入ってくる不思議な曲だ。音の密度というか、曲が持つ重量とボリューム感に震える。

暗めのピアノポップかと思っていると突然リズムとがガラリと変わり、また変わり、また変わる。こう書くと忙しないように聞こえるが、実際忙しない曲だという事は聴いてもらえれば納得してくれるはず。

なんだか舞台音楽みたいな曲の作り方をしてるような気がする。どこがと聞かれるとまったくわからないんだけど。とにかく叩きつけるようなピアノが情緒たっぷりでたまらないのだ。どこまでも感情的なのに旋律と歌詞がやけに冷静に感じられて不安定で。なんだか惹かれてしまう。

まぁ細かい事はいいじゃないか。この曲がカッコいいことは紛れもない事実だし、ひいては大槻美奈もばっちりカッコいい。

 

果たして曲を褒めるのにカッコいい以上の褒め言葉が必要なのだろうか?いや、多分必要なんだけど今の僕は少し頭が働かないからこれで勘弁して欲しい。