『Ylang Ylang』/FKJ

「イランイラン」。この曲はそう読む。

同名の花の香りを連想させるがこの曲はあの香りと同じようなものだ。リラックスでき、わずかに異国っぽい。

実際は作曲中に訪れていたフィリピンの場所らしいが、イランイランはフィリピン原産だし、やはり同じようなものだ。

 

この曲はなにも考えずに夕焼けを眺めている瞬間と似ている。ピアノの強弱がまるで風のようで浮遊感を感じさせてくれる。

 さらに音の少なさが非常に優雅で、ゆったりとした曲調と相まって眠くなる。ドラマチックな旋律だ。

 

この曲の良さを言葉で表すのは僕には無理なので、聴いてもらう他に無い。

 

PVのロケーションがあまりにも良すぎるのだ。

冒頭の窓を出る直前にふわりと揺らぐカーテンがこんなにも愛おしい。南国の夕方に吹く風は一体どんな匂いがするのだろう。

広大な大地に響くピアノはどう聴こえる?

波に乗ってくる潮の香りはどんな味がするだろう。

こんなにメロウな曲が早く時を進めてしまう訳は?

全ては謎のままでいい。

 

 

ただ一つ、孤独になれる音楽だということ。それだけは確かだ。