『暮らしの半分は』/シンリズム

素朴な曲は良い。辛い時も嬉しい時も、いつだって聞けるから。

これもそんな曲だ。控えめなトランペットはどこか恐縮しているようだけど確かにそこにいるし、フルートだったりほかの音をまったく邪魔していなくてフラットに聴くことができる。

バタバタばっか暮らしの半分は
バタバタバッタしてりゃ終わるんだ

バタバタばっか暮らしの半分は
バタバタバッタしてりゃ終わるんだ

『暮らしの半分は』/シンリズム

 

「バタバタ」という言葉はネガティブさやポジティブさを全部内包した言葉のように思える。忙しい時は”自分”が無くて寂しいけど、忙しさが無いなら無いでそれで退屈という具合に。

労働ってなんなんだろう、公私のバランスをとるのは本当に難しい。二十余年生きているけど、いやだからこそよくわかっていない。ただこの曲を聴いていると辛いことにあっても「バタバタしてるから仕方ないか…」と割り切れるような、そんな気がする。

 

仕事の朝に聴くと心に余裕が生まれるけど何もない午後に聞くとなんだかすごく切なくなる。満たされない思いに苛まれる。僕には形容できないけど、きっと生まれる感情はどちらも同じだ。キャッシュクリアをするように余分なカロリー消費を減らしてくれる。

『暮らしの半分はバタバタしてりゃ終わるんだ。』だなんて達観しているようで、でも当たり前なことを言っているような気もして。とにかく結局どっち付かずだ。僕のバランスを中心にポンと置きなおしてくれる。そんな曲。