『APOGEE』を聴くべきは今なんじゃないのか?【推薦】

 『APOGEEは邦楽界のSEGA。そういえばここに訪れるゲーマーにも伝わるだろうか。

APOGEEはカッコいい。しかし知名度が低い。一部でちゃんと評価されているのが本当に救いであるとしか言いようがないぐらいで、失礼ながら今後”来る”ことは絶対無いであろうバンドだ。
 ただわかることと言えば、彼らはSEGAのようにあまりに時代を先取りしすぎていたということだ。10年早いんだよ!ゲームギアのように、シェンムーのように!

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 APOGEEの作る曲は良い。アレンジは繊細でボーカルの声はスピッツ草野のようび伸びやかで。シンセの使い方はクールで印象的だし、ドラムの音はダイナミックに耳に届いて心地いい。(俗にニューウェーブと呼ぶのか)

そしてなにより、ブラックミュージックをベースとしたモノが非常に多い。
そういった音楽は今じゃ割と普遍的なんだけど当時はかなり衝撃的かつ新鮮だったように思える。

 

 ブラックミュージック。文字通り「黒人発祥の音楽」を差す言葉。ヒップホップやらジャズやらR&Bやら……、上げきれないぐらいジャンルがあり、最近の邦楽*1の構成要素として急激に増え、また好まれているほどに主要なジャンルと言える。

そういったムーヴメントの火付け役としてはSuchmosとかKing Gnuとか…星野源あたりを代表として挙げることができるかもしれない。きっとそこらへんで「ブラックミュージック」という言葉を知った人も多いはずだ。

 で、そこが”邦楽界のSEGAという部分にかかってくる。
APOGEEの1stデビューアルバム「Fantastic」が2006年リリース。それに対しどちらも大名盤で大人気であるSuchmosの「THE BAY」と星野源の「YELLOW DANCER」は2015年リリース
 ほれ見ぃ、10年の開きがここにある。2002年にオザケンが出したゴリゴリにビートを利かせたアルバムも反応は当時芳しくなかったらしいしな…あぁ、余計八極拳使いの言葉が説得力を帯びてきた。

だから別に、僕の独断と偏見で10年早いと揶揄してるワケではない。
彼らを知るみんながみんな、「10年遅ければ絶対人気だった」「今なら天下とれる」とか負け惜しみじみたことを言っている。

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 文字通り10年早かった「Fantastic」というアルバムは1stであると思わせないほどクオリティが高い。デビュー直後とは思わせない程に洗練されまくっているし、そこはかとない神秘性すら漂わせている。

その中でも重量感と期待感がジワジワと高まるイントロが特徴的な「ゴースト・ソング」とシンセによる独特な浮遊感を持つ「夜間飛行」は格別に良い。もはや代名詞と言っても差し支えない。

 うん、カッコよすぎて鹿になるわね。なんなら今聴くからこそ耳に馴染む気さえしてくる。あくまで当時感覚のモノであるから今ほど本格的では無いにせよ、十分それらの要素を感じ取ることができるはずだ。

 

 APOGEEはメンバー全員が作詞に携わっている。そのため誰かの詩世界に浸る、とか独自の世界観を味わったりずるようなバンドではない。中にはすごく良い歌詞もあるが、実際聞いていると語感やおさまりを大事にしているように感じる部分は多いし、後に改心してたけど本人らも「歌詞なんてどうでもいい」とか言っていたりする。

 その分、ブラックを日本向けにローカライズしたりうまい落としどころを見つけた際のメロディや、それを引き立たせるニューウェイブ的アレンジがすさまじく良いのだ。しかもその作曲すらメンバー全員がやるというんだから舌を巻く。

 

 MVを見て気づいたかもしれないが、一見して明らかに変だったり奇妙なアートワークも彼らの特徴でもある。当時としてはかなり高等な映像技術を使っていたり特徴的な映像効果が使われていたりしていた。
 これらMVの案出しを誰がしているかわからないが、結果として今でいう「とりあえずAC部に映像作ってもらおう」みたいな話題性とシュールさを突き詰めた結果寒ーい、サムシングエルス〜、みたいな映像群*2は、遊びが少なくタイトな楽曲のお陰で全然あざとくなっていない。まぁ、だからこそPVのヤバさが際立っているのだが…

 しかしこれら魅力的なMVはほとんど見ることが叶わない。見れても動画だというのにどういうわけか音が飛んでいる。上に張り付けたPVも公式から出ているものではなく一般ユーザーが上げたものだ。

APOGEEは一刻も早く公式Youtubeチャンネルを作れよ!!そこで過去PVをバシバシ公開しろ!!おかげで新規ファンを囲い込む手段がまったく無いじゃないか!!

 

 待って、あったわ。このapogeepointが公式チャンネルだ。
公式サイトと同じ名前とはいえ「Official」とかつけないと普通に謎のチャンネルだなこれ…

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 チャンネルに話を移すと、このapogeepointに挙げられているMVらは3rdアルバム「夢幻タワー」発表後、しばらくの沈黙(休止期間??)を経た後の楽曲たちだ。

 「OUT OF BLUE」4thアルバムに収録された「Twilight Arrow」という楽曲にも例によって光と虚像を利用したユニークなMVがしっかりとついていて面白い。曲自体も非常にカッコいい。
そしてこのあたりから彼らの楽曲はニューウェーブ色が強くなり、また5th、「Higher Deeper」ではほぼ全曲が英詩になる。

 

 英詩かよ。そう思われるかもしれない。確かにAPOGEEは歌詞に比重を置いたバンドではないにせよ、それらによってある種の神秘性や泥くささみたいなものは抜け、清涼感みたいな部分に特化してしまったところは否めない。

さりとて相変わらずブラックと邦楽の混ぜ方に関するバランス感は健在だ。それどころか事実上のリーダーであるVo,Gtの永野が休止期間中にCMソングをはじめとする様々な活動を手掛けてきたことで、楽曲の幅や実力はより増しているようにさえ感じられる。

 

 休止期間を経てなお、圧倒的なパワーとビジュアルを見せてくれるAPOGEE
デビュー当時からゆったりとしたスピードとはいえ、5th発表から3年ほど経つ今も製作を続けている様子はちゃんと確認できる。完成を待ってみるのも十分アリだ。

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 APOGEE現在のムーヴメントに対していち早く…どころか、あまりにもその方向へ向くのが早すぎたバンド。
しかし、だからこそ今なら誰もが楽しく聴ける音楽であるはず。「10年遅ければ…」「今なら…」という声だってそういった気持ちの裏返しなのだ。

 

 

だから僕からも負け惜しみを一つ。
APOGEEを聴くべきは今なんじゃないのか?

 

 あと最後にというか…スナイパーが聴きたくてさ…Spotifyでも2ndを配信して欲しいです、お願いします…

*1:2021年6月当時

*2:AC部もMVも好きです。

『Digital Rain』/西島尊大

聴くたびに「この人って何者なんだ?」という感情が浮かびあがり検索するがいまいち核心にたどり着けない人物、それが西島尊大。
…そもそも検索して得られる情報以上のことなんて無いのかもしれないが。

彼を知ったきっかけがこの『Digital Rain』。上質なインストだ

 

雨をテーマにしている曲だというのに聴いていて楽しい気分になれてしまう。
僕は一瞬で聴き惚れた。すさまじく良い曲じゃないか。丁寧に作られたテクノジャズでどのフレーズも非常に洗練されすぎている。

盛り上げ方と曲全体のテンションが絶妙で、近代的なテクノではあるがサブカル臭さは感じない。ベテランアーティストが丁寧にテクノを作ったお陰でかゆいところに手が届いてる、みたいな気持ちになる。

 

「いいなこの人。」そう思っていた最中、実のところ西島尊大はボーカロイド曲をメインに製作していると知った時はあまりの衝撃にぶっ飛んだ。だってこの曲、テクノではあるけど全然ボカロっぽさはないんだもん。
単にインストだからそう思わされるのかもしれない。でもそれを差し引いてもボカロ…?ここから?マジで?

 

なら…とそちらも聞いてみると、これまたぶっ飛んだ。『Digital Rain』とは打って変わってめちゃくちゃにユニークかつ高度なことをサラリとやってのけているじゃないか。曲調も様々でそのどれもがカッコいい上にやっぱりボカロっぽくない。

具体的にはジャスとかオーケストラ音楽の様相を呈しているのだ。『1009転調』とかユニークさの真骨頂で、マジで何者なんだと検索するがやっぱり核心にはたどり着けない。動画サイトの再生回数は1~2万いってりゃいいほうで、動画概要欄にはなんも書いてないのだ。
この人は本当に生きてるのか…?そもそもなんでボーカロイドを…?怖い怖い!!実は大物アーティストが片手間にやってるプロジェクトじゃないだろうな!?ウェブサイト ホーム | ravenworksアー写は信じないからな!!

 

 

謎は尽きない。しかしこの匿名性……僕は完全に西島尊大の虜になったのだ。というか、彼が何者かどうしても気になってしまうのは明らかに『Digital Rain』から知ってしまったせいだ。完全に入り方間違えた。

【お知らせ】最近多忙です、という話。

いつも閲覧ありがとうございます。かきもちです。

 

最近更新無くて本当に申し訳ないです。

理由は題名の通り多忙だからです。サボろうという意図はゼロです。マジです。

 

端的に言えばプライベートの問題なのですが、忙しい期間が予定より長引いているという状況です。先月中には終わる予定だったのですが見立てが甘く、現実はあもりにも厳しいという事がわかりました。それに伴って若干メンタルも不安定気味なので他人のことを考えてる暇がねぇ!!

 

で、重ねて申し訳ない話になるのですが、僕の中でこのブログを更新することの優先順位はなかなか低いです。(好きではあるのですが…)

一応多忙な合間を縫ってなにかをやる時間は全然あります。ただ、「やらなきゃいけないこと」と「やりたいこと」の下にブログがある感じです。やりたいことは主にゲームとかです。ですがゲームタイムが満足にとれているかと言われればかなり疑問が残ります。

 

そんな状況なので必然的にブログはおろそかになっているという状態になっています。重ねてお詫び申し上げます。申し訳ない。

ただ、その分ネタのストックをためている状態(モノは言いよう)でもあるので必ずなんらかの形で還元したいと思います。なので今しばらくお持ちいただけると幸いです。なにどぞよろしくお願いします。

 

「今までも2ヶ月ぐらい更新ない時あるじゃん」という言葉はその通りです。

ただ言い訳をさせてもらうと、しっかり記事作成は行っています。しかし書いている中で(この出来は満足できないな…)であったり(ここからどう書き進めればいいんだ…!)と行き詰まった結果更新しないという選択を取っているのです。

それと比べ現在は記事を作成する時間もないのでご報告させていただいた所存です。ご理解ください。

 

腰を据えてブログを更新する暇こそ無いのですが、片手間にTwitterは更新しているのでそちらを是非にも。↓↓

 

 

『Cyberpunk2077』に化かされているのか?【感想】

ついにきやがったこの時が。 

 サイバーパンクという世界観。僕は「AKIRA」とか「攻殻機動隊」とか。ましてや「ブレードランナー」すら見たことがない。強いて言えば『VA-11 Hall-a』をやったぐらいのもの。あとマトリックスは観た。

 

 しかしどんな世界感であるかぐらい知っている。雑多な町に雑多な人体、やりすぎな程の階層社会にロマンを感じない人間がいるか?いないはずない。確かに僕は名だたる名作は観ていないが、しかしもはやそんなことはどうだっていいのだ。サイバーパンクという情熱は誰にだって止めることはできないのだから。

 もうこのゲームの概要は省く。恐らくこのゲームをプレイする人たちは僕と同じように延期を味わい、その間にゲームの情報を漁っているからだ。絶対「Night City Wire」見たでしょ?僕も何回も見たもん。見てない?見てから来てくれ。

 …とはいいつつ新規の人向けにネタバレ控えめでコンテンツをオススメするブログなのでザックリとだけ紹介しておく。

レトロフューチャー2077年の世界で成り上がるため、脳内にキアヌ・リーヴス(が演じるキャラ)を飼ったVという主人公を演じながら無法の街、ナイトシティで成り上がるというオープンワールドRPGゲームだ。

TRPGを原作としたゲームで、サイバーパンクという名の通り冒頭で並べた作品のような世界感を楽しむことができる。幾度も延期を繰り返してなお2020年最大の期待を寄せられたゲームと言って差し支えないだろう。

 

 コイツは5ヶ月 7ヶ月 8ヶ月の延期を経てやっと僕の手もとに届いた。幾度となく延期が発表されついには12月。タイトルの発表は2012年からあったようで…そこからチェックしてた人マジでお疲れさまでした。NKT

1年間も延期の呪いに縛り付けられたのだから楽しくないってことはあり得ないだろう?生半可な出来なら待った甲斐すらなくなってしまう。今作に向ける僕の目は厳しい。僕は2077年現在全米で最も住みづらい都市ナイトシティに定住するのだから。

 

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 今作の舞台となるナイトシティが文字通り怪物級のマップであることは言うまでもないだろう。巨大なビルが立ち並ぶ都市部にはギャングと汚職で。工業地帯は煙と排水に。街から出れはサボテンと安い車でひしめいている。このナイトシティは架空の世界。しかしその場所やオブジェクト一つ一つが強い説得力を持っているため世界観の構築という意味としてのマップは他のゲームと比べても雲泥の差が存在している。圧巻だ。 

その広くない代わりに(それでも十二分に広いが)縦方向への密度を高めたマップは何度訪れても既視感を感じさせることが無い。普段通る場所でも来た方向が変わるだけで印象がガラリと変わるのは現実でも存在するが、ナイトシティではそれを何度でも感じることになる。こんな感覚をゲームで味わうのは初めてでそう感じさせてくれているのはやはりナイトシティが持つ密度のお陰なのだ。

 

 いつも通る場所のそばにエレベーターや階段があることに気づくというのは日常茶飯事でいつだってプレイヤーに発見の連続を与えてくれる。屋根を登った先、ビルに飛び移った先、エレベーターに乗った先。二度と訪れることは無いであろう場所も想像以上に作りこまれているし、見慣れた巨大なビルは角度を変えるだけで大きく表情を変え、いつだって僕たちの目の前に現れてくれる。

何かに気づき、その先に見える景色を楽しむという行為はゼルダの伝説BotW』にも似た感覚を呼び起こさせてくれる。その先にコログが無いことはわかっているのにどうしてここまで歩くことをやめられないのだろう。

二段ジャンプのサイバーウェアはマジでオススメ。というかこういう楽しみを得るには必須。

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自分だけに見せる表情。

 この『BotW』のような体験は何度も言う通り立体的なマップ構造によるものだ。どのようにそこに向かうか、どの方向から訪れたかでたどり着くまでのプロセスが大きくかわるためナラティブ性のあるマップが作り上げられている。

それは散策だけではなく戦闘についても同様で、どのルートから攻めどのように引き上げるかは能力値も関係するため、より深い個々の体験を得ることができるはずだ。(戦闘の頻度とか大味さは一旦置いておいて。)

  とにかく散策がめちゃくちゃ楽しいのだ。キレイな公園の端に隠されたゴミ山。巨大な施設やタワーの周りにある飲食店。路地裏にある血痕を見つけるたびにナイトシティがどんな場所なのかをコントローラーを通して全身で感じることができる。

エレベーターだってわざわざ扉を金網にして移動している様を見せてくれるし、高所に向かうソレではマジで長い時間をかけてその階まで上るなど本当にエレベーターで移動しているのだ。この移動の楽しさはなんなんだ…?どうしてなんだ…?

 

 ナラティブ性のあるマップ、でかいビルとはいえそれだけではナイトシティは完成し得ない。特筆すべきはナイトシティ中に散らばる広告や文字や住民の装いだ。

トーク番組で流れる話題。炭酸飲料やエナジーバーのCM。ギターであの名曲を弾くオッサン。極彩色の服に身を包んだ女性。背景でサラリと流れてしまうひとつひとつがどれも2077年という時代やナイトシティという都市を読み解く足がかりとして大きなウェイトを占める要素であり非常に美味しい。美味しいのだ。(大事なので2回)

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大量のテレビコンテンツと広告は必見。

 

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 そしてそんなマップとともにに繰り出されるミッションはマジでヤバい。メインミッションは下手すれば1、2時間は平気でかかってしまうような(その半分がドンパチだとしても)大ボリュームだ。ただメインミッションは「キアヌチップvsV」という構図を描くだけで、ドラマチックではあるものの面白い部分はそこまで担っていない。

 真にヤバいのはサブクエストだ。Vに密接に関わるストーリーやメインキャラのその後が展開されたりするので本当に気が抜けない。これサブクエで良いのかよ!?という驚きは尽きない上、早撃ちを競ったりタクシーを追いかけたり歯が立たない相手に立ち向かわねばならなかったりするなどミッションの物量に応じてそのどれもがバラエティ豊かだ。

 

 このゲームもオープンワールドスタイルにありがちなマーカー先でクエストを受け、次のマーカー先で戦闘をするような「おつかいゲーム」であるわけだが、クエストのストーリーラインは全くワンパターンではないし、そこからさらに発展する話もあるため随所に飽きさせない工夫が施されている。

演出一つとってもインプラントのエラーや目線の誘導など非常に秀逸で一人称視点であるという事の重要性は嫌というほどわかるはずだ。

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目線の誘導がね。

 とはいえサイバーパンクの売りの一つである「多岐にわたる物語」は実際あまり感じる事ができ無かった。

一部では分岐に関する力の入れようがひしひしと伝わってくるのだがそれを感じるのは一部ミッションであり、それ以外のほとんどは戦うかステルスか、話し合いで解決するか程度の選択しか設けられていない。それに加えて主人公の出自によって異なる会話をを選択しても劇的な変化をもたらしてくれるようには感じないのだ。デトロイトのようなバタフライエフェクトも極一部で、なんだか「レール上の自由」感は否めないように思う。

 

 ストーリーの他にも車がプッシュされているのにレースが極端に少ないとか、ソロとネットランナーの他に「テッキー」というロールがいつの間にか消えていたりとか、電車が無かったりとか、「これもしかして本当はもっとああしたかったんじゃないか……??」 みたいな場面に遭遇する瞬間は非常に多い。実際その名残をゲーム内の随所で見ることができる。

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開発段階のキャラメイクだけ見ても実際とは情報量に大幅な差がある。

実際に細やかな分岐が設けられているのかどうかは周回プレイをしていないため真偽はわからない。もしかしたら僕が気づかないぐらい分岐が自然であっただけなのかもしれない。(恐らくこちらが正しい)しかし「分岐する」という確実な提示が無ければ肝心な周回する意欲は薄れてしまうように思える。

 

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 ていうかサウンドトラックがヤバい。マジでヤバい。ラジオはやらBGMのほとんどがテクノ、ロック、ラップなどめちゃくちゃ好戦的な曲ばかりで構成されている。町中やカーステレオで聞こえる楽曲達はすべてが印象的でクール。しかもその大部分がこのゲームのために書き下ろされたというんだから驚きだ。ヤダァ ウソォ ホントォー?

いやマジでラジオで留めておくのもったいなくないか…?もっといろんな場所でガッツリ効果的に使っていいレベルでどの曲も高クオリティでカッコよくて多種多様だ。

 

特に戦闘曲はめちゃくちゃクールだ。

こんなのが流れてくるんだから戦闘時のボルテージは上がりっぱなしだ。

僕だって他人よりはゲームを遊んでいる自身があるけどここまで大規模なゲームのサントラで微妙に思える曲が無いことは稀有だ。サントラだけでも聴く価値のあるゲームであることはここで強調させてほしい。

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 で、だ。サイバーパンクを遊ぶに際して発生するバグや動作不良に関する話題は避けて通れないように思う。

実際遭遇するバグは縁石程度で落下死したりチュートリアル表示が再起動するまで居残り続けるなど没入感を損ねるものばかりだ。そして何より落ちる。アプデが入って頻度は落ちたがそれでも落ちる。(12/30当時)その上僕はPS4版でプレイしているためフレームレートはガタガタだし画面はぼやけている。

正直ここまで不具合や最適化が進んでいない部分が多いとげんなりしたりムカついたりする瞬間は往々にしてある。ここまでやられると「現行機向けに発売する」という発言も延期報告などを見るにあまりに薄っぺらい言葉に感じてしまうのも事実だろう。タケムラの無言電話バグは大好きだけど。

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 ただ、なんというか、このゲームをやって明らかになったのは『僕は』画面のぼやけやfpsの低さはさほど気にならないという事だった。ガッツリ私事な上に完全に気にならないわけではないのだが、とにかく僕はそうだと浮き彫りになったのだ。オフゲーに限るが。

元よりこの物量と度重なる延期を見て不具合が無いことを期待するプレイヤーが果たして存在するのだろうか。ゲームに少し詳しければある程度予想できることに加え、恐らくこのゲームを手に取る人はマニアかそれに片足突っ込んでる人ばっか…ですよね?

 

 そもそもゲームの評価にバグだの不具合なんて考慮したくないんですよ僕は!!不具合がそんなに気になるならリニアゲーだけやってりゃいいのだ。しかしそんなこと言うほど僕らのゲームに対する熱は冷めてない。ただでさえ昨今のゲームは肥大化してるのだから大小のバグ程度発売後に修正すればいい。少なくとも僕はそれを認めてるしそれを許せる世の中であって欲しいと思っている。雑な擁護をしてしまったか。

『ウィッチャー3』だってリリース直後はなかなかバグが多かったという話を小耳に挟んだことがある。それでも『ウィッチャー3』が評価され、今作に期待が寄せられたのはグラフィックやバグを越えた先にある部分では無いのだろうか。(僕は未プレイ)

 ただ今回でその手の反省が生かされてない上に問題のある開発方法を行ってしまったことからは目を逸らすべきではないのだと思う。

 

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 最終的にこの『サイバーパンク2077』というゲームは絶賛できるか?毎日ポンポンしたいか?と聞かれれば、僕を含めほとんどのユーザーが「2020年を代表するゲームの一本だが傑作ではない」と答えるだろう。

今作の物量はすさまじい。散々言われているが悪いゲームではないし、不具合を差し引いても胸を張って人にオススメすることができるゲームであることは間違いないのだ。何度も言うがマジでマップが素晴らしい。ナイトシティ大好きだ。しかし悲しいかな、僕は今作にそこまで入れ込むことができなかった。

 それはこのゲームに存在する空白のためだ。時間か容量の原因によって切り詰めてしまったのか、そもそも消してしまったのか。どちらにせよ無数のコンテンツの名残によってその空白部分が確実にプレイヤーを蝕み、なぜだか物足りなさを感じてしまうという不遇なゲームなのだ。

繰り返すが今作の物量はすさまじい。その上面白い。ただ『Night City Wire』の映像や言葉を額面通り受け取るとCS版でもPC版でも手痛いリターンが返ってくるように思えるので、過度に期待は避けたほうが良いのかもしれない。

しかしその先にある世界(主にマップ)に魅了されることからは避けられない。ザックリとは言えロードマップも公開されたので本作の真の評価を決めるのは『ウィッチャー3』同様にアップデートやDLC配信後でも遅いという事は無いだろう。多分。おそらく。

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この先にはなにもない…今はまだ…

『星間飛行』/ランカ・リー=中島愛

マクロスを知らなくても曲名ぐらいは見覚えがあるであろうこの『星間飛行』。ご存知無いのですか!?言うて僕もマクロス未履修なのであのシーンしか知らないんですけどね。

10年ぐらい前は「かわいくてキャッチーな曲だなぁ」程度の認識だったのだが、今になると「うわぁ贅沢な曲だなぁ」以外の感想が全く出てこなくなってしまった。

キラッ☆
身体ごと透き通り 絵のように漂う uh uh
けし粒の生命でも 私たち瞬いてる
魂に銀河雪崩れてく

星間飛行』/ランカ・リー中島愛

これは当時からかなり衝撃的かつ引っ掛かりを覚える歌詞だった。アイドルの曲で「芥子粒」とか「雪崩れてく」なんて単語は普通出てこないはずだ。今になってもその違和感が消えることはない。

マクロスは宇宙を舞台にした作品なんだから多分「星屑」とか「流れてく」の方がマッチしてるんじゃないのか。でもあの歌詞が持つ違和感のお陰でついつい耳を傾けてしまう。

 

流れるベルっぽい音が荘厳で神秘的な雰囲気を漂わせているのにメロディはどこまで突き詰めても良質なポップソングだ。終盤になると一定間隔で鳴るバイオリンの音がクライマックス感増し増しですごく良い。

それに肝心の「キラッ☆」が全然あざとくない。アニメの挿入歌なんだからもっとオーバーに「キラァッ☆☆⤴⤴」ぐらいやってもいいだろうに語尾の音程の上げ方がすごく控えめだ。そこら辺のバランスがシリーズのもつこだわりなのかもしれないけど僕は知る由もない。

 

とにかく、こんないい曲誰が作ってるんだよ?と思って調べると

作詞:松本隆*1 作曲:菅野よう子*2

ああ、そう…(納得)

贅沢だ…贅沢すぎる…そりゃ、そりゃこの二人が合わさったらいい曲できますよ…水面から銀河まで網羅してしまう壮大さ。これは間違いなく銀河一のアイドルの曲だ。

…ん?ってことはこの「キラッ☆」は60代手前のおっさんから出てきたものってことなのか?…すげぇわやっぱ。感服です。

 

 

*1:元はっぴぃえんどドラムであり作詞界のレジェンド。『硝子の少年』や『赤いスイートピー』など作詞。

*2:アニメ音楽界のレジェンド。『カウボーイビバップ』や『攻殻機動隊SAC』のBGMなど担当。