『AUDIO ARCHITECTURE』/Cornelius

コーネリアスの曲は音がメチャクチャいい。その「良さ」を今、最大限まで突き詰めた表現がこの『AUDIO ARCHITECTURE』なのだろう。

リムショット一つ、ギターの音一つとってもどれも耳ざわりが良い。それを延々と聞かせてくれるのだ。

 

そこに一小節に一単語という、歌詞とも呼べない歌詞が織り交ざってくる。この曲においてコーネリアス、もとい小山田は歌を聴かせるつもりなんてハナから無い。

声を添え物のように、ただ研ぎ澄まされた音で僕の音楽的感覚を刺激しまくってくる。

 



 

音を表現した白黒で味気ないCGが120%まで聴覚を研ぎ澄ませてくれる。

「実はこんな音が鳴っているのか」という気づき。どんな曲でも新鮮で楽しい感覚。それをこの曲は包み隠さず出してくれる。

 

箱に収まって波形が動いたり、万華鏡みたいな幾何学的な模様になって震えたり。あくまで音を伝えるための映像とCGなのになかなかどうして見ていて全く飽きることがない。

ダンスや動画の音ハメだって見ていて気持ち良いが、目で音を感じるってこういうことなのだと分からせてくれる。